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このブログはこんな人向けに書いています。
・クラウドファンディングの基礎知識がほしい
クラウドファンディングをやりたいんだけど、どうやってやるんだろう?
クラウドファンディングをやるんですね!
クラウドファンディングは、ほとんどの人は知ってるけどやったことがないので、やり方を知らない人は多いですね。
そうなんだ。
今回はクラウドファンディングの仕組みややり方を解説します!
徹底解説!クラウドファンディングのやり方と仕組み
クラウドファンディングは、
日本ではおよそ86%の人が認知はしていますが、
実際に利用したことのある人は12%程度です。
このように、
日本でクラウドファンディングは
「知っているけどやったことがない」位置づけなので、
やり方を知らない人は多いと思います。
そこで今回は、
クラウドファンディングのやり方や仕組みを徹底解説します。
クラウドファンディングとは?メリットとデメリットも教えて!
クラウドファンディングがそもそも何なのかが
今ひとつわからない方のために、
まずはクラウドファンディングとは何かについて簡単にお伝えします。
▼クラウドファンディングとは?の詳細記事についてはこちらをご覧ください。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、
究極にかみ砕いて言うと
ネット上のみんなからお金をもらう
ということです。
「ちょっとこんなことやりたいから支援して!」
とネット上で呼びかけ、
その案をおもしろいと思ってくれた人などが
支援をしてくれるという感じです。
そして支援してくれた人に対し、
その金額に応じたリターン(返礼品)を渡すのです。
(※リターンがない場合もあります。後述)
クラウドファンディングのメリットとデメリット
クラウドファンディングには種類や型があり
それぞれでメリット、デメリットがありますが、
ここではクラウドファンディング全体としての
ざっくりとしたメリットとデメリットをお伝えします。
・誰でも簡単に参加できる
・多くの人に知ってもらえる
・何度でも挑戦できる
・必ず支援金を獲得できるとは限らない
・1円でも支援を受けたら、そのプロジェクトを実行する義務が発生する
クラウドファンディングのメリット
誰でも簡単に参加できる
クラウドファンディングは
基本的に誰でも簡単に参加できます。
ただ、支援をしてもらおうと思ったら
しっかりとしたプロジェクトでないと、
当然支援はもらえません。
「とりあえず何か出せばお金がもらえる」
というような、
”金のなる木”感覚をもし持っていたら、
今すぐに捨ててください。
多くの人に知ってもらえる
クラウドファンディングは
ネット上にあなたのプロジェクトが公開されるので、
リアルに比べると、より多くの人の目につくことになります。
多くの人に知ってもらえるということは、
支援してもらえる可能性がグッと高まると言うことです。
日本でクラウドファンディングを利用したことがある人は約12%です。
日本の人口を考えると、
およそ1440万人が利用していることになります。
サイト別で見ても、
たとえば日本最大のクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」では
支援者数830万人と言っていますので、
これらの数字を見ると
どれだけ多くの人の目に触れるかがわかりますね。
何度でも挑戦できる
クラウドファンディングは、
たとえ失敗しても特にペナルティなどはありませんし、
何度でもチャレンジできます。
失敗することを恐れず、
どんどんチャレンジしましょう。
クラウドファンディングのデメリット
必ず支援金を獲得できるとは限らない
クラウドファンディングは、
やったからと言って必ず支援金が手に入るとは限りません。
クラウドファンディングには
「オールイン」と「オールオアナッシング」という2つの方式がありますが、
どちらにせよ設定した目標金額を必ず獲得できるわけではないのです。
獲得金額が目標金額を大きく下回る金額になるかもしれませんし、
ノーマネーでフィニッシュという結末も十分あります。
1円でも支援を受けたら、そのプロジェクトを実行する義務が発生する
クラウドファンディングにおいて、
1円でも支援を受けたら
そのプロジェクトは必ず実行しなければいけません。
支援を募っておいて、
「集まらなかったのでやっぱやめまーす!」
は、まかり通らないのです。
特に「オールイン」方式の場合は目標金額に達しなくても支援金を手に入れられるため、
目標金額50万円のところ100円しか支援が集まらず、
それでもプロジェクトを実行しなければいけない・・・
なんてことが起こり得るのです。
その点、「オールオアナッシング」方式なら
目標達成ならず=支援0であり、
この場合はプロジェクト実行義務はありません。
どちらの方式でやるかは
慎重に選ばなければいけません。
クラウドファンディングを始める前に知っておきたい基礎知識
クラウドファンディングのやり方を説明する前に、
クラウドファンディングの基礎知識を知っておきましょう。
ここからは、
クラウドファンディングの種類や実施方式、またリスクについて触れていきます。
クラウドファンディングには3つの”種類”がある
クラウドファンディングには、大きく3つの種類があります。
「購入型」、「寄付型」、「金融型」です。
おそらくクラウドファンディングを利用するにあたって、
メインとなるのは「購入型」、
そして「寄付型」だと思いますので、
今回はこの2つをメインに解説し、金融型については「こんな感じだよ」程度に解説します。
購入型
一番多く利用されている型です。
購入型は、
商品やサービスをクラウドファンディングサイト上で売る形式です。
支援者側はこれらの商品やサービスを購入する形で支援することになります。
よって多くの場合、
リターンは商品や、サービスを受ける権利となります。
購入型のいいところは、
商品やサービスを世に出す前に世間の反応が見れたり、
発売前に売上を確保できるという点です。
たとえば、
あなたが画期的なペンを発案したとします。
しかし、それを開発するための費用が足りないし、
世間がそれを必要としてくれるかもわからない。
こんなとき、
「僕はこんなペンを発案しました!ほしい人は買ってください!」
とクラウドファンディングをすれば、
そこにどれだけの支援者が集まるかでその商品のニーズ調査ができますし、
事前に売上を立てることで開発費を獲得することができます。
この場合、あなたが支援者に対して用意するリターンは
その開発したペンということになります。
寄付型
寄付型の大きな特徴は、リターンを求めないという点です。
被災地や発展途上国への支援をするというプロジェクトが主なところです。
寄付型は基本リターンはありませんが、
起案者が支援者に対して敬意を表し、
お礼の手紙や支援証明書などをリターンとして用意している場合があります。
また、資金の提供を現金でなくポイントでできるサービスもあります。
金融型
金融型は、
特定の企業や事業に対し「投資」という形で資金提供し、
「分配金」という形でリターンを得る「投資型」や、
特定の企業に対し「融資」という形で資金提供し、
「利息」という形でリターンを得る「融資型」があります。
金融型を利用するには、
金融商品取引法などへの登録が必要です。
商品・サービスを売り買いする「購入型」
リターンを求めない「寄付型」
投資や融資を行なう「金融型」がある。
クラウドファンディングには2つの”実施方式”がある
クラウドファンディングを実施するとき、
その実施方法が2つあります。
「All in(オールイン)」
「All or Nothing(オールオアナッシング)」です。
All in(オールイン)
クラウドファンディングでは
目標金額(獲得したい支援金額)を設定します。
オールイン方式は、
目標金額を達成したかどうかに関わらず、
支援してもらった金額分は受け取れるという方式です。
オールインの注意点
オールイン方式の大きな特徴としては
集まった分だけの支援金は獲得できる点です。
しかし、注意すべき点があります。
それは、
「支援をもらったからには、そのリターンやプロジェクトは実行しなければならない」
という点です。
当たり前ですが、支援をしてもらっておいて
「思ったより集まらなかったからやめまーす!」
は通用しません。
オールイン方式では
1円でも支援があればそれを受け取れるので、
支援に対するリターンや、
そのプロジェクトを実行する義務が発生します。
たとえば50万円を目標にクラウドファンディングを実施し、
リターン購入(支援)が「1000円のオリジナルTシャツ」1件だけだった場合。
クラウドファンディングを実施した人は
このたった1人の支援者のためだけに
オリジナルTシャツを製造しなければいけませんし、
プロジェクトも実行しなければいけません。
ですので、リターンにかかる原価や手数料によっては、
支援があったのに収支はマイナスという事態になりかねないのです。
オールインに向いている事案
以上から、オールイン方式は
- 支援金額にかかわらずプロジェクト実行は確実なもの
- 1人でも多くの人に商品やサービスを届けたいもの
のような事案に向いていると言えます。
All or Nothing(オールオアナッシング)
オールオアナッシング方式は、
目標金額を達成すれば支援金を獲得、
達成しなかったら獲得支援金は0という方式です。
目標に達しなかったら1円も受け取れませんので、
しっかりと原価・手数料計算をした上で目標設定をしていれば、
最終的に収支がマイナスになるような事態は避けられるでしょう。
また、目標に達しなかった場合、
リターンやプロジェクトは実行する必要はありません。
オールオアナッシングの注意点
オールオアナッシングの注意点は、
1円でも目標に達しなかったら獲得0円という点です。
オールイン方式とメリット、デメリットを比較し、
そのプロジェクトに合った方式を選びましょう。
「オールイン方式」と「オールオアナッシング方式」があり、
プロジェクトに合った方式を選ぶ必要がある。
目標を達成したかどうかに関わらず、
支援された金額を獲得できるという方式。
目標金額に達すれば支援金獲得、
達しなかったら獲得金額は0円という方式。
身につけておきたい基本的なお金の計算知識
クラウドファンディングをやるにあたり、
基本的なお金の計算はできないと危険です。
なぜなら、目標金額やリターンの設定を誤ると、
支援があればあるほど収支がマイナスになるような状況になりかねないからです。
今回は、一番利用する可能性の高い【購入型】をやるとして、
考えなければならないお金の要素を見ていきましょう。
考えるお金の要素は「原価」と「手数料」
便利な時計を思いつき、それを開発するために
クラウドファンディングをするとしましょう。
こういった場合、目標金額をどう設定すればいいのか。
まず考えるべき要素は、「原価」です。
原価とは、その商品を製造するのにかかる費用のことです。
便利な時計を1個製造するのにいくらかかるのかを考えましょう。
それを知るには、
時計を作るのにどんな部品が必要で、
それがいくらで手に入るのかなどを考える必要があります。
この計算がしっかりできないと、
時計1個作るのに1500円かかるのに
リターンで時計1個1000円で出してしまい、
時計が1個売れるたびに
500円の損失が出る状況になってしまいます。
時計1個を作るのに1500円かかるなら、
リターンでは最低でも1個1500円以上に設定する必要がありますね。
次に考えるのは「手数料」。
クラウドファンディングをする際、
クラウドファンディング業者に対し手数料が発生します。
この手数料も考慮して目標金額を設定しないと、
「目標は達成したけどお金が足りなくなった」
なんて状況になってしまいます。
手数料は、獲得金額に対し一定の割合でかかる場合がほとんどです。
たとえば手数料が20%の場合、
100万円獲得したら20万円は手数料で飛んでいきます。
ですので、この手数料も計算に入れて目標設定しなければいけません。
では、どう計算すればいいのか。
手数料20%の場合で考えてみましょう。
ここで、
「100万円必要だから、その20%の20万円を上乗せして120万円を目標にすればいい」
としてしまう人がいますが、これは間違いです。
120万円獲得した場合、120万円の20%は24万円なので、
実際に手元に残るお金は
120万円ー24万円=96万円
となってしまい、必要な100万円に足りません。
獲得金額(目標金額)のうち「20%が手数料」という状況を図で表すとこうなります。
図でわかる通り、
手数料が20%ということは、手元に残るお金は80%です。
手元に100万円残したいなら、
目標金額 × 0.8(80%)= 100万円
という計算になります。
つまり、100万円を手元に残したい場合の目標金額は、
100万円 ÷ 0.8 = 125万円
となり、125万円を目標に設定すればいいというわけです。
目標金額 = 手元に残したいお金 ÷(1− 手数料率)
目標設定金額の計算方法を公式化するとこうなります。
先ほどの例で言うと、
手元に残したいお金が100万円
手数料率が0.2(20%)なので、
目標金額=100万円 ÷(1 − 0.2)となります。
目標設定をするときは、
以上の「原価」「手数料」をしっかり計算に入れましょう。
クラウドファンディングのやり方
それでは、ここからクラウドファンディングのやり方についてお伝えしていきます。
クラウドファンディングは、ざっくり以下の流れで行なうことになります。
- プロジェクトを発案
- クラウドファンディングをする場所を選ぶ
- プロジェクト計画を提出、審査
- プロジェクトページを作成
- クラウドファンディング開始
- プロジェクト実行
プロジェクトを発案
クラウドファンディングをやるにあたり、まずは以下のことをしっかり考えましょう。
これらがクラウドファンディングの核となり、
クラウドファンディングを成功させられるかどう
- プロジェクトの目的
- プロジェクトを立ち上げた理由、背景
- プロジェクト実行のためいくら必要なのか
- リターンをどうするか
プロジェクトの目的は?
「あなたがなぜクラウドファンディングをやりたいのか」にあたる重要な部分です。
「夢の実現のため」
「何かの問題を解決するため」
など、理由はいろいろあると思います。
そのプロジェクトを通して、
あなたが何を達成・実現したいのかを明確にしておきましょう。
プロジェクトを立ち上げた理由や背景は?
あなたがそのプロジェクトを立ち上げた理由、背景は何かを明確にしておきましょう。
目的とかぶる部分もあると思いますが、
ここは「その目的を達成したい」と思うに至るまでの、
考えやストーリーの方を指します。
たとえば、どんな出来事があって、どう思って、
そしてどう考えてその目的に至ったのか。
この部分を明確にしておきましょう。
プロジェクト実行のためにいくら必要?
そのプロジェクトを実行するのに、お金がいくら必要なのかを計算しましょう。
目標金額やリターンを設定するのに、この金額が基準となってきます。
また、集めたお金を何にどう使うのかも、ここで明確にしておきましょう。
後々プロジェクトシートを作成するときに
支援者に向けて発信する内容になってきます。
リターンをどうするか?
リターンをどう設定するかも決めておく必要があります。
購入型の場合、
ほとんどが商品やサービスを
リターンとして用意することになると思います。
本を売るなら「サイン入り」にするなどの付加価値をつけたり、
講演会を開催するなら
「スタッフとして参加できる権利」などをリターンとして用意するのもおもしろいですね。
クラウドファンディングをする場所を選ぶ
プロジェクト内容がある程度固まったら、
クラウドファンディングをどこでやるかを決めましょう。
キッチンカーを出店するとき
出店場所をどこにするか決めるのと同じで、
クラウドファンディングも場所を借りて行なうので、
どこでやるかを決める必要があります。
人気の高い場所はやはり人も多くいますので、
どの場所で行なうかは、かなり重要になってきます。
場所ごとの特色もありますので、それも加味しましょう。
プロジェクト計画を提出、審査
クラウドファンディングをする場所が決まったら、
その場所のスタッフさんに「プロジェクト計画」を提出し、審査を受けます。
どんな思いで、どんな内容で、何をするのかなど、
あなたの考えていることをしっかりと伝えましょう。
zoomなどでの面談を通して審査をし、
審査に通ればプロジェクトページの作成に移ります。
プロジェクトページを作成
審査を通過すると、次はプロジェクトページの作成をします。
プロジェクトページは、
あなたのプロジェクトに対する思いや内容など、
「プロジェクトを発案」の段階で考えていたことを
1枚の記事にまとめたものです。
クラウドファンディングはこの記事を公開し、
この記事を読んだ人が支援してくれますので、
このプロジェクトシートの作りこみは
非常に重要になってきます。
文字だけでなく、
画像や動画を使うと、より思いが伝わりやすくなります。
この段階からは、いくつかの支援コースがある
プロジェクトページ作成の段階から
重要度も上がりますし、かなり大変になってきます。
ですので、
クラウドファンディング業者さんからの支援を受けることができます。
プロジェクトシートの添削だけお願いするコースや、
プロジェクトシートの作成をまるまる任せられるコースなど、
いくつかのコースがあります。
それぞれでかかってくる費用も異なります。
必要に応じて利用してみてください。
クラウドファンディング開始
プロジェクトページの作成が終わったら、
いよいよクラウドファンディング開始です。
ここまでも大変ですが、ここからも大変です。
クラウドファンディングは
開始したらあとは放っておけばいいわけではありません。
クラウドファンディングをしていることを
いろんな方法で告知したり、
宣伝活動をしていく必要があります。
クラウドファンディングはオンライン上で行ないますが、
わりとリアルな現場も大事です。
まずは身近な人、
親や友達などに直接支援をお願いするなどの活動が重要です。
また、クラウドファンディングは「初速」がとても重要で、
「開始して5日以内に達成率20%を突破したプロジェクトは、80%以上が成功する」
というデータがあるくらいです。
広報活動はクラウドファンディングが
始まる前からしておくのがいいでしょう。
プロジェクト実行
支援金が集まったら、あとはプロジェクトを実行するだけです。
リターンの履行、プロジェクトの実行。
最後まで責任を持って執り行ないましょう。
まとめ
クラウドファンディングは、
今や多くの人が知る資金調達の手段の1つです。
誰でも手軽に参加できる反面、
しっかりしたプロジェクトや基本的なお金の知識がないと
支援されるたびに損失が出る状況になってしまうなどのリスクもあります。
事前知識をきちんと学び、
正しくクラウドファンディングを実行しましょう!
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